512人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
家に入りソファーへと座る。
「……最悪だな…俺…。」
立ち上がり冷蔵庫からビールを取り出し一気に飲み干した。
冷蔵庫をまた開け中に入っている酒を全て出した。
ソファーの前のテーブルに全て置き次々と飲み干す。
その間も考えるのは蘭花の事ばっかりで。
『嫌い!』その言葉が頭をグルグルと回る。
俺は蘭花に笑顔でいてほしいのに。
俺が笑顔でいてくれって言ったのに。
他の誰にも蘭花の笑顔を取られたくなかった。
蘭花の笑顔は俺だけのものだと思いたい。
そんなの無理に決まってる。
分かってる。
それでも、そう思うのは俺の独占欲。
仕方ないと分かっていても、あいつが笑った時の周りの反応にイラつく。
知っている人達ならまだいい。
だけど、初めて蘭花の笑顔を見た奴らの反応の仕方は凄いから。
男なら尚更。
女ですら反応する蘭花の笑顔。
あまり誰にでも笑ってほしくなかった。
蘭花に言っても
《私は私だから。》
そう言われると何も言えなくなる。
ありのままの蘭花でいい。と言ったのは俺だから。
あいつが辛い思いを乗り越えたのに、それを俺の我が儘で笑うななんて言えるはずもない。
………全然、酔えねぇし。
全て呑んでも酔えない。
最初のコメントを投稿しよう!