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立ち上がりキッチンへ向かう。
酒という酒をかき集め、いつもよりきつめの酒を作る。
面倒だから、纏めて作ってまたソファーへ戻った。
途中で作る気が無くなり酒の瓶ごとテーブルに置いた。
好きな女に《嫌い!》と言われただけで、落ち込むとか情けないと思われるかもしれない。
だけど俺は長い間、ずっと蘭花に会いたくて自分で守れる様になるまで必死でやって来た。
やっとの思いで蘭花に会えて、しかも蘭花と結ばれた。
蘭花は俺にとって特別な存在なんだ。
だから、初めて言われた《嫌い!》と言う一言が、俺には辛かった。
でも、それは自業自得。
俺が蘭花を怒鳴ったから。
蘭花はただ見てただけ。
挨拶程度に笑いかけただけなんだ。
分かっていたのに。
最近では無自覚と言うと分かってくれる様になってきた。
蘭花は蘭花なりに気をつけていたはずなのに。
「…何であんな言い方しちまったかなぁ。…バカなのは俺だな。」
独り言を言いながら、どんどん呑んでいく。
明日、謝りに行こう。
今日は紗江ちゃんと來希が来るから。
朝一番で蘭花に謝ろう。
さすがに度数のキツイ酒を呑んでいると酔ってきた。
バタッとソファーの下に寝転び、残りの酒を口に入れた。
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