戻って来た婚約者

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この日は蒸せるような暑さだった。 本格的に夏が来たという感じだ。 カンカンと照りつける太陽。 日焼け止めで対策を整えても、焼けてしまう予感がした。 ノースリのブラウスの上に、薄い上着を羽織っても効果がなさそうだ。 いつものように大学で講義を終えた。 そして美菜ちゃん、耀君、瑞生君とランチを摂って、耀君の提案で涼しい所へ行こうという事になった。 「校門のところで待ってて? 車を回してくるから」 今日はめずらしく瑞生君が運転する車だ。 私と美菜ちゃんは、校門まで移動した。 その時―― 視界によく知る車が目に入った。 ……アウディ。 その車の運転席側から、降りてきた人物に思わず目を見張る。
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