第1話

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 2019年12月31日 大晦日  大阪府 住之江競艇場 『第3回 SG 全国高校競艇王決定戦 最終日』  こんな横断幕が、競艇場の入り口を飾っていた。    2015年の改正モーターボート改正法によってアマチュア競艇の規制緩和により高校生からを対象に高校生でも競艇に出場する事が、出来る様になった。  今までのやまと競艇学校で1年間の訓練と共に高校3年間を競艇に注ぎ込む事によって育成期間を4年と延ばす事で、技術の向上と選手育成に取り組める結果となり収益の上がらなかった地方競艇場では、高校競艇での練習や開催収益により地方競艇場の収益改善に繋がる。  しかし、その一方では選手の安全対策や事故対策等、多くの課題と問題が山積し対策に追われた。  そんな中でのグレード制の導入やSG優勝者に対する手厚い対応。 危険でも夢を追い続ける若者にとっては、夢の話でもありそれに向かって突き進む者は、当然減る余地もなかった。 『来場者の皆様。毎年恒例となりました高校生による競艇王頂上決戦が、行われております第3回SG全国高校競艇王決定戦です。本年度から高校競艇でも決定戦のみでは、なくシリーズ戦も行われる事によりより一層の熱戦をお楽しみ頂けている事かと存じ上げています。それでは、1Rのスタート展示が……』    こんな場内アナウンスが流れると競艇場内では、歓声が上がった。
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