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「俺は男だ!こんな事して、何が面白いッ!」
「面白(シレ)え、だと?」
一の頤から手を離し、親指で口許を拭う。
血の付いた指を見つめていた歳三の口角がゆるりと持ち上がった。
「面白えな。澄ました面(ツラ)ァして飛んだ淫乱と来た」
一の脚の間に強引に膝を押し込むと同時に、己の腕から逃れられずに俯いたその首筋に顔を埋める。
「なァ、感じてるんだろう?嫌がってる割に躰は正直なもんだ」
「止め・・・ッ・・・・・・!」
「止めたら、自分でやるか?尤も、てめぇみてえな強情っ張りじゃあ我慢するのがおちか」
羞恥に染まる肌へと口付けた。
首を捻じって逃れようとしたのだろうか、一の乱れた襟元から浮き出した鎖骨が覗く。
・・・・・・ごくり、と今度は歳三の喉が鳴った。
吸い寄せられるようにその鎖骨へと舌を這わせる。
くぐもった声が洩れ聞こえたが、先程の嬌声とは違っていた。
「何だ?さっきみてえに良い声で啼いて見せてくれよ。中々良かったぜ?」
「・・・・・・誰、がッ!」
「叉、そうやって虚勢を張る。ま、そういう所も初々しくてそそられるけどな」
歳三の言葉に反駁(ハンバク)する一の声は非道く弱々しい。
それでも躰ごと押さえつけられていた腕で懸命にその胸板を押し上げる。
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