決断

6/14
前へ
/32ページ
次へ
父さんは昔からオレと二人きりになる事を避けてきた人だ。 そんな父さんがオレに話しがあるというのは珍しい。 ……嫌な予感が胸に走る。 ――コンコンッ! オレは書斎のドアをノックをして、一度も入った事のない部屋の中へ足を進めた。 その部屋の中は薄暗かった。 右にも左にも本棚がずらーっと並んであって、難しそうな本がビッシリと収まっていた。 そして父さんが座っているデスクの上には、デスクトップのパソコンが置いてある。 側にはプリンターやコピー機に、内線電話まで完備。 その横の三段ボックスには病院で必要な資料とかが入ってるのか、ファイルがギッシリと整理されていた。 そのまま父さんの目の前まで歩みを進めるオレ。 でも父さんはオレが目の前に立っても、オレの顔を見る事もなく口だけを開いた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

450人が本棚に入れています
本棚に追加