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「月、よく覚えとくんだ。ワタシ達は本当は実の息子の桜に病院を継いでほしいんだ! だけど、アイツはその気が昔も今もないらしい。自由奔放に生きたいというのは、死んだ祖父さんに似ているな! お前は知らんと思うが……だから仕方なしに高い金を払ってお前を買ったんだ! お前はこの花柳総合病院を継ぐために生きているのだ。頼むから失望だけはさせるな! いいな?」
「……分かってます。オレはここまで育ててくれた父さんと母さんには感謝しています」
「なら、あの女の事は早く忘れて、奈央さんと上手くやるんだな! お前の結婚相手は奈央さんだけなのだから」
父さんが眉間に皺を寄せると、低い声でそう言った。
そのままこの後、信じられないような言葉を口にした。
……オレはその時、自分の耳を疑う事となった。
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