決断

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そのままオレは、父さんのデスクに突っかかった。 デスクに置いた手が震えているのが分かる。 でもオレが置いた手を、父さんはまるで汚いものにでも触られたみたいに払いのけてきた。 そして静かに口を開いた。 「何だその顔は? まさかお前、ずっとこの家に居られると思っていたのか? 冗談じゃないぞ! 今でさえ追い出したいの山々なんだからな。月、お前は犬のように親に捨てられたんだよ! この家に居候させてやってるだけでもありがたいと思え!! タダでいい学校に通わして美味いもん食わしてやってるんだからな。その見返りをキッチリと貰らわんとな。ワタシも慈善事業じゃないんだよ!」 「父さん……あなたはオレの事を、一度も家族だと思った事はないんですか?」 「笑わすな! 血の繋がらないお前なんか、家族な訳がなかろう!」 「一度もっ? 一度もですかっっ!?」
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