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オレはそんな父さんでも……たった一人の父さんだと思っていました。
「クドイ! ワタシの息子は桜だけだ!! お前は金で買った人形なのだっ!!! あの女には二度と会うんじゃないぞ! いいな、これはワタシからの命令だ!!」
父さんにそう言われた瞬間……
今まで我慢してきた思いが溢れそうになった。
オレはこの人に、何を期待していたんだろう……
家族というものを、この人に求めていた。
でもそれは、叶わぬ夢だと思い知らされた。
「失礼しました……」
そのままオレは、書斎を後にした。
この時、心臓に爆弾でも埋め込まれた気分だった。
絶望感という言葉があるのなら、今まさにその言葉がピッタリかもしれない。
……もう、オレには何もない。
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