心の鍵

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「ハハ。その顔。…その顔、見たかった。」 池口さんが笑う。 「池口さんが来てくれたから、安心です。良かったぁ。」 「俺のこと、待ってた?」 「当り前ですよ!居てくれないと大変です!」 池口さんは今度は小さく笑った。 私はひとまずチョコレートを置いて、池口さんにコーヒーを出し、始業の準備に取り掛かった。 その内に琴ちゃんも出社して、部長も席に着いた。 他の二人も池口さんの出社に安堵の表情を浮かべていた。 「見て!これ、池口さんから。もう私、一つ頂いちゃった。」 チョコレートの箱で琴ちゃんのテンションも上がり、部長も笑う。 池口さんだけはなぜか少し苦笑いだった。 金曜日、4人揃ってのスタートに私は自然と気合が入っていた。
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