心の鍵

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池口さんが来てくれたことで、ほんの少し肩の荷が下りた。 経理部は人数が少ない分、一人の仕事量のウェイトが重い。 今回のことで、私は普段から池口さんのことをすごく頼りにしているんだと実感していた。 池口さんと今週の業務の引き継ぎを簡単に済ます。 途中、池口さんが少しぼんやりする。 「…池口さん、聞いてます?」 「あ、ごめん。…なんか久々で。」 「大丈夫ですか?私たちも頑張ったつもりですけど、やっぱり溜まってますから、ぼんやりしてたらダメですよ。」 そんな様子を部長も見ていたのか 「池口、頼むぞ。」 離れた席からそう言った。
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