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 決勝戦の1時間前に1年3組の28名は競技場に集合した。競技場の広さはサッカーのピッチの倍ほどあり、周囲を観客席がとり巻いている。グラウンドには砂が撒(ま)いてあり、あちこちに岩が転(ころ)がっていた。雑草も点々と生えた荒涼とした平原の雰囲気だ。150メートルほど離れて塹壕(ざんごう)が掘られ、その背後にはクラス旗を揚げるポールが空を刺している。 「なあ、タツオ、今度はどんな作戦でいくんだ」  クニが敵部隊に目をやった。1組の生徒たちも競技場の反対側に集合していた。弱レーザーの模擬銃を使用するので、軍服も光線を透過するフィルムのような素材だった。夏の午後の日ざしに、敵の兵が遠い海のようにきらきらと光っている。タツオは目を細め1組を眺(なが)めていた。あの五王龍起(ごおうたつき)はどんな作戦を立ててくるのだろうか。
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