回答編

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2013年 5月20日 今日は進展があった。 心理学に関する本を読んでいたら悟が話しかけてきた。 いつもなにしてるの? 難しい? 僕も分かるかな? と。 様子がおかしい。 悟は普段、こんな幼い話し方はしない。 驚いていると「ねえねえ」と聞いてくる。 もしかして幼児か? そう思い聞いてみた。 「君、何才?」 幼児?「?、僕は6歳だよ。この前が誕生日だったんだ」 間違いない。 他の人格だ。 探し物の男が見つからない以上、人を選んでいる場合じゃない。 俺は幼児から情報を聞き出す事にした。 「君、名前は?」 幼児「たかしだよ。坂上高志」 俺と同じ名前じゃねーか。 「たかし君はいつから悟の中にいるんだ?」 高志「ん~とね。ずっと前!」 「………………」 高志「えへへ」 「…えーと、それは向井健二っていうおじさんが酷いことをしてきた時かな?」 高志「あ、そう!すごく恐かったんだから!僕はいつもすぐに泣くからお母さんが助けてくれるんだ」 お母さん? もう一人いるのか。 「お母さんは普段、何をしてる?」 高志「普段はずっと部屋に閉じこもってるよ。僕が寂しいときは一緒にいてくれる」 「良いお母さんだね。それで?」 高志「うーんとね、後、怖いおじさんをいつも見張ってるよ。近づいちゃダメって言われた」 怖いおじさん? 向井健二ではないだろう。 一重まぶたの男か! 「そのおじさんの名前は分かる?あと、普段何をしているのかも」 高志「確か梶原って名前だったと思う。お母さんが「梶原さんは人殺し」って言ってた。近づいちゃダメって言われてるからよく知らないんだ」 やはりか。 あの男、どうして悟と親しくなった人間を殺していくのだろう。
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