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ジョン「それで悟君の周りの人間だけを殺す理由なんですが、恨んでいるのだと思います」
「恨む?何故」
ジョン「私たちは悟君の助けとなる為に存在しています。ですが、言い換えれば私たちは悟君の身代わり。苦痛を肩代わりしているのに悟君がなにも知らず感謝の気持ちすら持っていないことに梶原は腹を立てているのだと思います」
「……………」
ジョン「なので梶原は悟君と親しい人間を殺して孤独にしてやろうと考えているのでしょう。……勿論、私たちは悟君に対してそのような感情はありませんよ。悟君は出来た人間です。過去を克服し、今では16歳にしては大人過ぎる考えを持った素晴らしい人です。高志君のお母さんが悟君を溺愛している理由のひとつでしょう。すでに梶原は悟君の周りの人間を二人も殺してしまいましたが安心して下さい。死体は私が見つからないよう処分しておきましたから」
最後にジョンは
「私たちも悟君には幸せになってほしい。折角の人生なのだから」
と言っていた。
「…ありがとう。心の底から礼を言う。今まで本当に、ありがとう」
ジョン「気にしないで下さい。私たちが勝手にやっていることです。…話は戻るのですがあと一人、気をつけてほしい人がいます」
「気をつける?まだ他にもいるのか?」
ジョン「ええ、名前は朱美。梶原の女です」
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