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「さあ、10時間ぐらいかな。とにかく眠ってていいわよ? 疲れてるでしょ?」
「うん、分かった。ねぇ優陽……」
軽く頷いた後、月がやっと私に視線を向けてきた。
私は月が“分かった” って言ってくれたから、てっきりそのまま眠りの体勢に入るのかと思っていた。
彼の目の下に、さっきの涙の痕がうっすらと見え隠れしている。
こんな近くで、久しぶりに見た愛しい人の顔。
このまま愛し合いたいと思ってしまった。
「……あなたは、オレの前から居なくなったりしないよね? 優陽だけはオレの事をちゃんと見てくれるよね?」
「全く当たり前じゃない! 私は消えたりしないわよ!! 全てを捨てても、月の傍にいるから……だからそんな心配しないでもう寝なさいよ?」
「うん、おやすみ」
月は安心したかのように、瞼を下ろした。
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