480人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇねぇ汽車って、電車の上に煙が出ていて、シュッポーとか言ってるヤツですか?」
「あはは、そーね。そうかもしれないわね!」
東京の人はこういう反応をするのだろうか。
私は彼の表現が可笑しくて、ついつい噴出してしまった。
「ねぇねぇ高知駅からどれぐらいかかるの?」
「そうね。約1時間ってとこかしら?」
「へぇ、1時間も電車に揺られるの?」
「そうよ。少し遠いわね……」
私が申し訳なさそうにそう言ったら、彼は首を左右に振った。
そして私の手に自分の手を重ねてきた。
「ううん、優陽と一緒なら遠くないよ!」
何気ない彼の優しさがこんなにも嬉しい。
私だって、あなたと同じ気持ちだもの。
あなたと一緒なら、例え一日かかる所でも、一週間かかる所でも、一ヶ月かかる所でも、遠いなんて感じないと思う。
最初のコメントを投稿しよう!