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それから改札を通り抜けると、彼と一緒に電車に乗り込んだ。
私達が乗った電車が来るまで、30分以上待たされた。
……やっぱり田舎だと思ったけど、彼と喋っていたらそれもあっという間に感じた。
でも私は何年か振りにこの田舎へ帰省して、雰囲気が変わっている事自体に驚いた。
まず改札だって、手動だったのに自動改札になっていた。
実家のある町まで電車とバスの乗換えか、バス一本(電車より高い)で帰っていたのに、最寄り駅が出来ていたのだ。
そしてその最寄駅も、無人駅だけどものすごく綺麗な駅だった。
――…
「……着いたわよ?」
「オレ、ワンマン電車って初めて乗りました」
電車から降りると、月が目を輝かせながらそう言った。
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