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そのままお母さんが居間に案内してくれて、お茶を出してくれた。
私はまず、お父さんの仏壇に手を合わせた。
実家に帰省すると、その報告をいつも一番にお父さんにしている。
私と同じように、月も仏壇に手を合わせている。
そして、神様にでもお願いをするかのように何かを拝んでいた。
「ねぇお父さんに何か報告でもしたの?」
と気になって、彼にそう聞いてみる。
「あ……うん。優陽の事は、これからはオレが全力で守っていきますから、心配なさらずにお休みくださいって言ったんだよ」
「何よそれ、意味が分かんないんですけど?」
「いいんだって、オレが分かってるから……」
「あ、そう」
そのまま月の顔をじーっと見つめる。
月もそんな私の顔を見つめ返してくれた。
この時心から、“この幸せな時間が長く続けばいいのに” って切にそう願った。
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