駆け落ち

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「ほら、お茶が冷めゆうき、はよ飲みや!」 月と仏壇の前で見つめ合っていたら、お母さんにそう声をかけられて我に返った。 「うん、飲む飲む……!」 ……久々に聞いた土佐弁。 何かすごく懐かしい。 同時にお茶菓子も出てきて、テーブルの前に座る。 お母さんはというと、お茶菓子の羊羹に爪楊枝を突き刺しながら、月の顔をマジマジと見ている。 そして徐に口を開いた。 「なぁ月君って言よったでね? いくつなが?」 「えっと、……16歳です」 月が恥ずかしそうにボソボソと答えた。 ……もう、バカ! 馬鹿正直に本当の事を答えてどうするの? 私とあなたは6歳も離れてるのよ? ……お母さんが驚くじゃない!! 「16って未成年かぇぇぇ!? おばちゃん、こりゃあ魂消たわ~」 そう言うとお母さんは豪快に笑った。 どうやらそんなに驚いてはなさそうだ。
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