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――…
それから夕食の準備が終わると、月がお風呂から出てきた。
さっぱりした顔をしている。
でも私と目が合うなり、何かを言いたそうにじっと見つめてきた。
あら、さっきのことかしら?
まぁいいじゃない。
ちゃんとシャワーの使い方、分かったみたいだし……
……ね?
そう思いながら苦笑いをした。
それから夕食が終わると、今度は私がお風呂に入った。
久々に入った実家のお風呂は、狭いアパートで入るのより断然気持ち良さが違う。
足を伸ばして、肩までゆっくり浸かった。
久しぶりに安心感という気持ちを覚えた。
……リラックスとは、この事だ。
桜さんと居てもいつも緊張していて、強張った表情をしていたと思う。
でも今はお母さんが居て月がいる。
これを“幸せ” というのだ。
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