駆け落ち

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「……っ」 軽く触れていた唇は、どんどん角度を変えられて…… ……深みを増していく。 思わず声が出そうになった。 「……んっ……ねぇ電気を消して?」 「嫌です」 「どうして?」 「今日は、あなたの全てをちゃんと見ます」 唇を放して、そっと囁くように言った彼がニッコリと微笑む。 そんな事を言われて、平常心でいる方が無理だった。 大人になっても、恥ずかしいものは恥ずかしい。 こんなに明るい所で、ちゃんと見られてしまうのはどれだけ恥ずかしい事だろう。 でも羞恥で顔を赤くしている間にも、月の手がだんだん下がってきて、着ているものを剥ぎ取っていく。 そんな私はキスだけで……頭がおかしくなっていたので、抵抗する気力もないままその波に堕ちていった…… 刺激という波に…… 甘い声を止める事が、出来なかった―――……
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