第1話

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食べて飲んで騒ぎ出すみんなを尻目に 「いやー、俊ちゃん 今回もお疲れ様ー ほんと疲れたんだけどね、やっぱり楽しかったですね ねぇ遼さん」 「ほんとに。 俊くんお疲れ様」 「さーーひさびさに飲めるぜー!! ほらほら肉焼こう」 「…ねみ……」 5人も席に着いて肉を焼き出した。 「うまーーーい!!」 「やっぱビール最高だなあ」 「遼さんそのタレ、ちょっとこっちにちょうだい」 口々に感想を言い合って、肉の山はみるみる小さくなっていく。 皆の食欲に少し切りがついた頃を見計らって、シズが声を上げた。 「はいはいー じゃあ今回も素晴らしいライブを作り上げてくれた俊ちゃんから一言いただきたいと思います!」 皆の視線が集まり、俊はさっと立ち上がった。 「ええーと…」 思い巡らせば今回もいろいろ大変なことがあった。 今まで数々のライブを創ってきたけれど、決して慣れることはない。 これは5人で創り上げる俺達Aceの集大成なんだ。 「みんな、 今回も時間がない中俺のプランを支えてくれて、 頑張ってくれてありがとう」 そうお辞儀をすると、すかさず 「よっ!日本一ライブプランナー笹塚俊(ささづかしゅん)!!」 加藤雅史(かとうまさし)が合いの手を入れる。 Aceって本当に自分の家だなあ。 カクテキを頬張りながら、うんうんと頷く遼くん。 眠そうに箸の袋をいじるリーダー。 軽く笑いながら俺を見上げるシズ。 1人でイエーイと手を叩く雅史。 みんな性格も個性もてんでバラバラで、だけどみんなAceという自分達のグループが大好きで。 5人でいられて幸せだなあ、と俊は微笑んで頷いたのだった。
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