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『へいへい!安いよ安いよー!』
『おい!あんちゃん!これなんてどうだい!?』
『今なら800ゴールドだよー!お得だよねー!!』
人混みをかき分け、時折捕まる押し売りを振り払いようやく宿らしい建物を見つける。
入り口の扉を開けると鈴の音が優しく鳴いた。
『あー、落ち着く。とっととチェックイン済ませちまうか』
ドカドカと旅の服の埃を撒き散らしながらカウンターへと向かい、空き部屋の確認をする。
『お一人!開いてるかな!?いくらだ!?』
『旅の方ですね…あいにく只今満室で御座いまして…』
ごにょごにょと その後何か言っていたが空室が出る気配もない為仕方なく宿を後にした。
再び人で活気に溢れた商店街へと戻ってくると屋台を一つ一つ見てみる事にした。
『しゃーねーなァ、宿がいっぱいじゃ…屋台で回復アイテムでも買いあさるか』
お腹もすいていた事を思い出したアクスは、ちょうど視線に入った屋台からいい匂いがしたため立ち寄る事にした。
看板には『焼き焼き』と書いてあるから焼き物系だろう。
『おっちゃん!お一ついくら!?』
『よう!らっしゃい!今ならたい焼きが一個10ゴールドだ!』
『じゃ!三つくれ!』
『へい!まいど!!そのたい焼きはメイプルシロップ入りだぜ!』
受け取った紙袋からは香ばしい香りと湯気が立ち上っている。
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