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本物の愛は年齢も性別も越えられるって純粋に思ってた。
本当の愛なら障害になるものなんて何もないはずだから。
そして、何も阻む事が出来ないような恋愛をしたいと思ってた。
だから、最初からたった一人の本物の相手を探している人を探してた。
遊びの恋なんていらない。
全てをかけられる相手が欲しかった。
全部で愛してくれる人が欲しかった。
たとえそれが、神に許されない相手だとしても。
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松山 優希、24の若さでバツイチ子持ち。
胸までの黒髪にゆるいウェーブをかけ、チークにシャドウだけのナチュラルメイク。
結婚には失敗したけど親のための結婚だったし子供も生んで親には義務を果たしたし、これからは自分のために生きていこうと思っていた。
親のために生きても、幸せにはなれなかった。
親は言うことを聞いて生きても大事にはしてくれなかった。
あんな男はダメだ、離婚したらとさんざん言っておきながら実際に離婚したら子供と二人、家から追い出された。
親は当てにならない。
私は私の力で幸せをつかみとらなければ。
お互いにたった一人の相手になれるような出会いが欲しい…ネット掲示板を見て回ったのはほんの数日。
気になった書き込みにコメントして、返事が来たのは一人だけ。
遊びの相手はいらなかったからバツイチで子供がいることも最初から書き込んだし、返事は期待してなかった。
自分も真面目に付き合いたかったから一人から返事が来たときに掲示板を見るのはやめた。
それが、麻由だった。
ただ、本気で一生の相手を探してたから、12万払って紹介所にも登録して、週に二人のペースで自分と付き合ってもいいという相手の履歴が送られてきていた。
履歴書を見てしまうと、どうしても年収、身長、写真で相手の性格も判断してしまう。
とりあえず会うだけ会うか迷っている間に次々紹介状が送られてきてそのうち見るのも疲れてしまった。
そうしてる間に麻由とは毎日、2ヶ月普通にメールをしていた。
他愛ない話題が心地よくて、自分の日常に無くてはならないものになっていた。
友達は結婚して県外だったし頼れる相手がいない私には励ましてくれたり日常を教えてくれる唯一の相手。
麻由は性同一性障害で、実際は女だっていうのも私には気楽だった。
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