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仕事中、浅岡さんに仕事を教えながらどんな子なのかを探ろうと、話しかけてみた。
そうしたらまず第一に「あっ、名前で呼んでくださいよー!」とニッコリされてしまったのでこれからは「夏海ちゃん」と呼ばせていただく事になった。
さらに「わたしも遥さんって呼んでいいですかぁ?」と大きな瞳をキラキラさせて言うものだからつい「いいよ」と答えてしまう。
なんていうか、話の主導権をすっかり握られてしまったような感じと、でも、夏海ちゃんがとてもいい子そうだなって事がわかったので、それからは普通に仕事をしながら適度に会話していく。
ちなみに店長はカウンターの奥から出て来なかった。
そろそろ夜の時間帯に変わり、客層も学生から社会人、サラリーマンなどのお客さんが増えてきた。
ホールを夏海ちゃんに任せた私はカウンターの中に入って洗い物をはじめる。夏海ちゃんは仕事を覚えるのが早くて、すっかりお客様をお任せできるくらいだった。
そんな中、ちょっと気になるお客様がホールの真ん中辺りのテーブルに陣取っている。私は気にしながらも、閉店時間が迫ってきているために増えていく洗い物に追われて、注意していられない。
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