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毎年、年末年始はtimeはお休み。この時期お客さんが来ないからだ。
なのでアパートでまったりと過ごしたり、管理人の畑野さんの所に遊びに行ったりしている。畑野さんの部屋にはコタツがあるからだ。私の部屋には残念ながらない。
元旦の朝、郵便受けを見に行ったら両親からのはがきが入っていた。
「"あけましておめでとうございます
……くらいの挨拶も出来ないのですか、あなたは。
たまには連絡を寄越しなさいと書いて送ってから、一度も一通も何もきませんが、生きているのなら生存報告くらいはしなさい。
今月も送りつけておきましたから、無駄遣いしないように食い繋ぎなさい。"」
いつもより酷い内容だ。鬼のような母親の顔が頭に浮かんで身震いした。
「年賀状くらいは送るべきだったかな……」
呟くと、同じアパートに住む男性が「早いっすねー」と白い息を吐きながら階段を降りてくる。
「おはようー、雪かき?」
「はよっす、さむ……」
ザクザクとスコップで雪をすくう男性は私より年下のアルバイター。ぼさぼさした髪の毛に、にょっきと細長い身体。
半纏姿にジャージでは寒いだろう。
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