愛し愛されていたあの日々(1)

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「あんなオトコに抱かれなくて、逆に凄く良かったんじゃない!?」 と、愛莉は言ってくれるが、正直、私もつくづくそう思う♪ それから程なくして就活戦争が開戦! しばらくは彼氏とは無縁だな~って、思った しかし、合同就職説明会で出会った同級生の彼に声かけられ、意気投合し、付き合う事に 厳しい就活戦争に挑む戦友として、戦略を立て、夢を語り合う彼との時間は実に、有意義なものだと思えた しかし、彼の馬脚が現れるのに、そう時間がかからなかった 「いつか絶対に、ビッグになる!」というのが、彼の口癖だった 大企業の社長とか、内閣総理大臣とかが目標だと言いながら、それに向かって、何か努力しているところ、一度も見た事がありませんでした それでもビッグマウスをやめようとしない彼に次第に厭気をさした 結局、私が信用金庫の職員に内定したのとは反対に、彼はなかなか決められなかった… 「信用金庫等の並みの企業より、遥かにビッグなところはなかなか難しいんだよ~!」 と、彼は最後の最後までこうして言い訳を続けた これが決め手となり別れを告げると、 「OK、Baby♪ いつか俺がビッグになったら、絶対に君を迎えに行くから、楽しみに待っていてね~♪」 未練がましく引き止めようとするのかな!? って思っていたから、これには正直、拍子抜けしたし、呆れた! ねぇ、ちゃんと分かっている? 貴方は決してビッグになれないし、仮になったとしても、決してついて行かないから!
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