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「じゃ、俺、部活行くね。」 長野が由希から離れ体育館へ向かった。 由希はふぅっと息を吐いて渡り廊下の窓から中庭を見た。 中庭には花壇や芝生があり噴水のある池がある。 残暑も弱まり中庭でくつろぐ生徒の姿も見える。 「由希~。どうしたの?」 由希が振り返ると由希の次に面談が終わった莉子だった。 「あ、莉子。」 由希が笑顔で答えると莉子が隣りに来て一緒に窓から外を見た。 「何見てんの?」 「ああ、別に見てた訳じゃないよ。 だいぶ涼しくなって来たかな~って思って。」 由希が答えると莉子はそうだね!と笑顔になった。 「暑いのは苦手だよ。 部活も蒸し風呂みたいだしね。」 そうか、バドミントンは夏でもほとんど締め切って部活やってるから、暑いんだろうな、と由希は思った。 「もうすぐ、大会なんだ。 由希達、暇だったら応援に来てよ! 日曜日に市内の体育館でやるからさ。」 莉子がそう言って由希の肩をポンと叩いて、体育館へ走って行った。 はいよ、と返事をして由希は手を振った。 バドミントンの大会かぁ。 時田がいるから行きたくないが、莉子の試合は見たいな。 あ、妙子が応援に行ったら長野くんが喜ぶだろうな。 由希はふと思った。 妙子を連れて行ったら、長野に少しは恩返しできるだろうか? 長野にはいろいろ心配かけて迷惑かけてばかりだ。 長野が自分のせいで時田とケンカするのは耐えられない。 二人はバドミントンでもペアを組んでいたはずだ。 大会前にケンカしている場合ではないだろう。
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