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教室では文枝が由希を待っていた。 「由希、遅かったね? あ?橋沢くんのこと待ってたの?」 由希はちょっと恥ずかしそうに答えた。 「違うよ。 進路指導室に寄ってたの。」 橋沢はさっさと自分の席に着くと帰る支度をして、すぐに待っていた津田と連れ立って教室を出て行った。 由希はそれを目で見送ると、文枝のそばに行って渡り廊下で時田と長野に会ったことを話した。 「関係ない、解ってほしくなんかない…かぁ。」 文枝が確かにそうかもだけど、ねぇ?と由希に問いかける。 「うん、なんか益々心配になるよね。」 由希が不安そうに言う。 長野と時田の仲が悪くなるのも心配だ。 莉子からバドミントンの大会を見に来ないかと言われたことも文枝に話した。 「由希が嫌じゃなかったら、妙子達を誘って行ってみようか?」 文枝がそう言ってくれた。 妙子達に話すと山下達も一緒に行くと言い出した。 なんか大勢になったなぁと由希はため息が出たが、山下達は長野の応援に行きたかったようだった。 時田は由希や長野達が仲良くしているのが面白くないような様子だった。 あの部室で山下が時田を誘った時に、時田も参加していたらどうなっていたのだろうか? あの時、合宿のことがあり時田とは顔を合わせ辛かった。 時田が断って由希はホッとしたような気がする。 時田が山下達とみんなで遊ぶようになっていれば、理香子と深い付き合いにはならなかっただろうか? 今さらそんなことを考えても仕方ないのだが…。
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