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「由希は部活何やってんの?」
のろのろと帰る支度をしていると莉子が聞いてきた。
「え?ああ、う~んと、文化部。」
由希が答える。
「はぁ?文化部って何よ。」
莉子が何やってるか全く想像できない答えに吹き出しながら突っ込んだ。
「えっとね…。
えっと…、文芸、写真、読書、編み物、刺繍、…
なんかそんなの全部。」
由希が他にも何かあったかなと指折り数えて答える。
「何それ?」
莉子は笑い出しそうな自分をこらえて聞いた。
「昔はそれぞれの部活があったんだけど、どれも人数不足で活動できなくて合併させられたんだって。
だから文化部?」
由希が莉子を見て真面目に答えると、またしても時田がプッと吹き出した。
ポコン!
イテッ!
「なるほどね~。
そんな部活知らんかったわ。
で、由希は何してるの?」
莉子は条件反射のように時田を叩いて話しを続けた。
「え?なんでもやるよ。
みんな好きだからやりたい時にやりたいことを。」
由希は当たり前のように答えた。
実は本当に写真を撮るのも見るのも好きだし、文章を読むのも書くのも好きだ。
編み物も好きだし、刺繍も時々する。
運動が苦手な自分になんてピッタリな部活なんだと感激した。
これがバラバラの部だったら、どこに入ろうか迷っただろう。
各部の合併は由希にとってはありがたいことだったのだ。
おまけに活動はそれぞれ自由なので、思い切りやりたいことをやって良い。
やりたくないときは、さっさと帰っても何も言われない。
運動部の人達が聞いたら同じ部活と呼ぶなと怒られそうな、誠に呑気な部活だった。
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