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妙子のクラスの前まで行くと、ちょうど妙子も教室を出て来たところだった。
「由希、私、日直で日誌置いて来ないといけないの。」
片手にカバン、片手に日誌を持った妙子がそう言った。
「付き合うよ。」
由希は北校舎にある教務室へ行く妙子と渡り廊下へ向かった。
今日は何しようかね?
妙子も読書や縫い物が好きで、文化部に入ると言う由希にくっついて入部した。
二人とものんびりタイプで気が合った。
妙子も自分がごく平均的な高校生だと思っているが、由希は妙子を平均的とは思っていない。
妙子は大人しくて地味な感じがするが、実はとても可愛い。
積極的に発言をする方ではないので目立たないが、実はとても成績が良いのだ。
真面目にコツコツ勉強するし頭も良いのだ。
知る人ぞ知る、素敵な女の子なのだが由希は黙っている。
入学して一年、近くにいる同級生が少しずつ妙子の魅力に気づきつつあるが、気付いた輩は他の輩に知られたくないので黙っている。
陰ながら応援するファンのように妙子を見つめる視線が少しずつ増えているのだ。
妙子が人見知りなので今のところは告白してくる奴もいないようだった。
由希は油断なく妙子に変な男が近づかないように見張っているのだ。
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