9人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
照明の落とされたリビングはスクリーンの灯りだけがほの白く照らしているだけ。
スクリーンには退屈な討論番組が流されていた。
時計に目をやる。
「いけない、もうこんな時間。」
明日もガッコウがある。
正確には今日って言った方がいい時間だ。
お母さんはもう寝たのかな。
「……薄情者…。」
親に何て事を言うんだ、私。
ま、いつもの事よね。
ソファから立ち上がり軽く伸びた後、彼女はスクリーンを落とす。夜の闇が大きなマンションの小さな一角を優しく包んだ。
最初のコメントを投稿しよう!