靄(モヤ)

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私の顔が赤くなるのを無視して、森田部長は元の声の大きさに戻して話し始めた。 「室井、あれからあのセクシーな格好して来ないじゃねーか。俺、楽しみにしてんのに。」 「あ、あれは…。」 「アホか。」 「今回は室井の力も大きかったよな?相手陣営、室井にメロメロだったし。あ、俺も。」 「…そんなわけないです。」 「馬鹿か。」 「帰り際に、室井がつまずいてさぁ、俺がこの胸で受け止めようとしたのに、越石のヤツがしゃしゃり出てきやがってよぉ。それがなかったら、俺が室井の体をギュッとさぁ。」 「助けてくれようとしたのは、成瀬さんですけど…。」 「殺す。」 「で、今は越石に口説かれてたわけ?」 「…口説かれてません。」 「黙れ。」 「あーーーー!!あそこで、二人のエロ部長がゆいを口説いてるぞーーー!!!」 さっきの盛り上がり過ぎてる女子に囲まれた。 「そうそう。俺、頑張って口説いてるのに、室井ってば全然なびかないの。寂しー!!」 森田部長の言葉にみんなが大爆笑。 「あーーー!!西島部長が笑ってる!!鬼が笑ったーーー!!」 「空しい森田ー!!」 「マドンナゆいーー!!」 「鬼の西島ーー!!」 この日の打ち上げは私にはちょっとしたハプニングがあったけど、それでもすごく楽しかった。 みんなの前で部長が笑っていたことも 嬉しかった。
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