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打ち上げが終わって、私たちを除く営業部のメンバーで二次会に向かった。
美咲も一緒に行った。
美咲は一人部署が違うけど、営業のメンバーに溶け込んで、何の違和感もなく、成瀬さんの一番近くで盛り上がっていた。
翌日はまた休日出勤だったので、この日は私と部長はそれぞれの家に帰る予定だった。
駅のホームに私が乗る電車が到着する。
「じゃあ、部長。また明日ですね。お疲れさまでした。」
部長は私の言葉に返事をしないで、代わりにあのいたずらっぽい笑顔を向けた。
そして、部長の手が私の腕を掴む。
「帰さない。」
そう言って、口角を更につりあげた。
いつの間にか…
掴まれた腕をほどいて手を繋ぎ、
私が乗るはずだった電車を見送っていた。
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