靄(モヤ)

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ゆいの気持ちが嬉しくて、優しく落とす口づけに、ゆいはそれよりももっと優しく返してくれる。 優しい口づけはやがて、激しくなり、次を求めて下へ下りる。 首筋をなぞって、鎖骨を濡らす。 ゆいが感じる間に、ゆいの甘い声色が俺の体中を痺れさせ、俺も感じる。 ゆいの上になりながら、俺は思う。 ゆいの心も体も、 ゆいの全てを俺で支配したい。 そう… 1%も隙がないように。 ゆいが俺にしがみつき、俺の背中に、腕に、ゆいの指が食い込む感触がたまらなく愛おしい。 ゆいが俺を求めてる。 それが単なる錯覚と思いこみでも それでもよかった。 けれど、 ゆいを支配したいのに 支配されるのは俺の方。 ゆいの声、 ゆいの仕草、 ゆいの眼差しに、 この体。 ゆいの全てが 俺の全部を占領する。 …ゆい。 今夜も白旗を上げるのは… …俺かもしれない。
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