靄(モヤ)

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ゆいちゃんに話しかける秀一の顔を見ていると、温かいものが込み上げてくる。 あの子があんなに優しい顔をするなんて。 それが私に向けられたものでなくても、 私は心底幸せだった。 『姉ちゃん』 あの反抗期からずっと呼ばれてないけど、 あの子が顔を見せてくれるだけで嬉しかった。 秀一のためにここまで頑張って来たけれど もう 頑張らなくて いいのかしら。 いいよね。 もう。 あの子が守るべき人も あの子を守ってくれる人も もう…ちゃんといるんだから。
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