靄(モヤ)

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金曜日。 定時を迎える間際から、浮足立つ社内の雰囲気。 定時を迎えてからはいつも以上に会社内が賑わっているように感じた。 これから残業という経理室も例外ではなく、何だか少し浮かれていたのかもしれない。 「この連休が夏のピークって感じですよね!?"連休"なんて思ってたらあっという間に終わっちゃいますよね!?」 琴ちゃんが伸びをしながら言う。 「そうだねー。ホントに。始まったら気合入れなきゃね。」 「あ、ゆい先輩、ホントに気合入ってる。んふふ。」 「…そんなことないよ。」 「室井さんも海とか行くの?」 そこで池口さんも加わった。 「はい。毎年行ってますよ。今年も行っちゃいます。」 「…へえ。意外。肌、白いから海なんて行かないかと思った。…水着で泳ぐの?」 「海ですからね。寝そべって焼いたりはしませんけど。」 「池口さんの質問、なんかいやらしーー!!」 「は…!?ち、そんなことないだろ!?話の流れだよ!」
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