靄(モヤ)

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盛り上がる会場の中で藤森を探す。 …いた。 今の話が聞こえてないはずないんだが、全く気にしていない振りしてやがる。 ホントに気にしてねーのかも。 何か、ムカつくな。 その時、女たちにまた声を投げられる。 「成瀬さんて、彼女いるの?」 俺は声をでかくして言ってやった。 「彼女はいねーよ。俺、フツーの女じゃつまんねーから、今、変な女探し中なの。」 「何それ!?」 「成瀬さんて、変態!?」 「へんたーい!!ギャハハ。」 アイツの反応は…。 俺はその女たちから離れて藤森の側に寄る。 藤森が俺を睨んだ後、すぐに目を逸らす。 「…成瀬さんて、そうなんだ。」 俺と目を合わせようとしない藤森が言う。 俺は意地悪く耳元でこう答えた。 「そうそう。俺、女の趣味、変わってんの。」
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