零日目

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再び目が覚めたとき、少女は神社の前にいた。自分の家だ。 「お母様……お父様……」 少女は覚束ない足取りで玄関を目指す。 「桜花様!!」 すると玄関が開いて中からいつも自分を世話してくれている巫女が出てきた。 「探したのですよ」 彼女は安心感からか泣き出す少女をそっと抱きしめた。 「さぁ、お風呂に入りましょう。大丈夫。お父様とお母様にはちゃんと説明するから」 この巫女は少女の疲弊具合を見て全てを悟ったかのように少女にそう言った。 「うん」 少女は頷き巫女に連れられ、家の中に入った。 その光景を青年は遠くから見ていたが少女が家の中に消えるとやがて姿を消した。
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