第1章 お騒がせ王子さま

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もう一人の女性が一歩前にでる。 王族用の、宝石があしらわれたヴェールに、きらきらと輝く長くなめらかなクリーム色の髪。 質素ながらも気品が感じられるドレスを身にまとい、顔は透き通るほどの白い肌で、頬のあたりがほんのりと薄桃色になっていて、その上に静かな光を湛えた空色の大きな瞳と、小さめの、だがしっかりと存在する赤い唇がある。 それぞれのパーツがこれ以上ないほど絶妙に並べられていてる。 私はエデナも作り物めいた美しさだと評したが、彼女はそのさらに上をいく。 まさに神の創造物。 レンよりも年上なのだろうがそんなことは微塵も感じさせない。 筆舌に尽くしがたい、言わば幽玄の美を持った人物だ…。
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