第1章 お騒がせ王子さま

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シェーラは愛しさと寂しさがない交ぜとなった表情を見せた。 「確かにそれは素晴らしいことね。芸術を愛する心はとても大事。でもあなたがこの国からいなくなるというのはこの国の民を見捨てるということになるのよ?」 「うう…でもさっきは色々学ばなきゃいけないって!世界の事を知らなきゃいけないでしょ!?世界を回るのも勉強の一つになるんじゃ…」 シェーラは溜め息を一つつき、かぶりを振る。 笑みは薄れ、引き締まった表情を見せた。 「……エデナ……さんざん最もらしいことを言ったけれど……私達はあなたのことが心配なのよ…それが一番なの。国よりもまずあなたのことが。女王としてではなく、一人の母として。だから、どうか聞き分けてちょうだい…。」
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