序章
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部屋は一人で過ごすのに広すぎず狭すぎず、シンプルながら洗練された調度品の数々が置かれ、開け放たれた窓から入り込む風によって緋色のカーテンがヒラリと舞っていた。 しかし、そこには王子と呼ばれる人物の影はおろか蟻の一匹も居はしなかった。 「また…でござるか……。」 男は再び溜め息を漏らし、その部屋を後にした。 こうしてこの国の日常は始まるのだった………。
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