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「あいつは優しい……。だが王としては優しすぎる…。私はあいつに立派な王に育ててやりたいのだが…」
「ご心労お察しいたしまする」
ダリウスは初めてペンを置き、顔を上げた。
「すまないな…ロコウ。そなたには毎回このような…。」
「いえいえ、王子のお世話をさせていただくことが拙者の役目でありますれば……。それでは王子を探して参ります。」
「あぁ…よろしく頼む。」 ロコウは一礼し王子を探すために部屋を後にした。
ダリウスはロコウが出て行くのを見守った後、天井を仰いで、深い溜息を一つ。再びペンを手に取り執務に戻った。
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