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「裏切られるとはな…哀れだなアックーム!」
裏切られた、自分は相棒だと思っていたクッパに裏切られた。ユメップに吐き捨てられたその単語だけが痛烈に突き刺さる。
ナンテコトナイ、そんなわけはない、しかしそう言わずにはいられないほどに目の前の光景が痛い、そして逆恨みにも似た感情が湧きあがり、これまでにも増してそこに居るユメップが憎かった。
そしてあの時のように怒りに任せ、憎悪に任せ、悪意に身を委ね、ユメップとマリオを薙ぎ払う。
全力で戦うことのできる夢世界ではそれが可能、そう思っていた。
「ギ…ギィィィ…」
夢世界から放り出されたアックーム、先ほどまで二人に猛威を振るっていた力が自らを刺す痛みに変わり、体中をかき回す。負けた、再び。いや、今回は完敗だ。敗北の烙印がアックームの存在を焼き落としていく中、彼の視界の端に微かに知った姿が映った。青色の服を着た魔法使い、クッパに忠誠を誓うカメック。
ほんの数秒、アックームの方を見ていたカメックは、顔色一つ変えずクッパの元へと飛んで行ってしまった。
「もしあんたとクッパ様が対立した時、それがどんな時であろうとあたしはあんたの味方はしないからね、って程度に思っておいたらいいよ。
もしその時が来たとき、勝手にあんたがあたしの事を味方だと思い込んでたところで悲しい思いをするのはあんたなんだし覚えておいたら?」
「ソウカ…ワカッタ…カメックガ クッパヲシタッテイルノナラ ソレモトウゼンダロウ。」
その青い姿を目にした瞬間、かすれた意識に代わってそのような会話風景が写し出された。
トウゼン…アレデ カメックハ トウゼン ワカッテル…ワカッテル…ギギ…シカシ…
カナシイ…
そう思ったのを最後に悪夢の化身、蝙蝠の魔王の長い悪夢は終わりを遂げた。
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