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「メシ炊けるまで…時間出来ちゃったな。」
成瀬さんはニヤケた顔してじわりと更に距離を縮める。
「…は、早く炊けないかな。そ、それまで…散歩でも行く?」
「はあ?散歩?…もっといいことしようぜ。」
「…い、いいこと!?」
「そ。」
次の瞬間、成瀬さんが私に覆いかぶさり、私は床に背中をつけた。
冷たい床。
熱くなるカラダ。
離せない視線。
高鳴る鼓動。
「…オイ。…そんな顔すんな。バーカ。…冗談だよ。」
「…こ、こんな冗談やめてよ!」
そう言ってやっと視線を逸らした先のテレビボードに何やらゲーム機を発見した。
「ね。じゃ、ゲームしない?」
「ゲーム?」
私は寝そべったままゲーム機を指さした。
「うん。私、全然したことないし、わかんないけど教えて!」
「そうか?…じゃ、時間つぶしにやるか。」
「ギャーーーー!!」
「何これ!?何これ!?」
「私、結構ウマイじゃん!!」
「はは、ザマー見なさい!」
「これは!?これどーすんの!?」
「…おい。」
「おい。」
「おい!!」
「何?」
「メシ、炊けた。」
「そっか。じゃ、食べよっか。やーん、これ、ハマっちゃう!ご飯の後もしよ!」
ゲームは思いのほか楽しくて、時間もあっという間に過ぎていた。
私の緊張もいつの間にかどっかにいっちゃって、私は鼻歌混じりでキッチンに立った。
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