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「いただきまーす!」
「いただきます。」
成瀬さんてば、部長の影響か、ちゃんと手を合わせて言ってくれた。
私はカレーをスプーンにすくいながら、成瀬さんが一口目を食べるのを待っていた。
「…うまい。」
「ホント!?」
「ああ、マジでうまい。…頑張ったな。」
顔が下から上に、耳まで熱くなるのを感じた。
「あ…り…がと。」
「あっ!!!!!」
「…今度は何だよ?いちいち声がでけーよ。」
「あ、ごめん。ゆいにメールしていい?」
「は?今?別にいいけど。何でだよ?」
「成瀬さんに『おいしい』って言ってもらえたって報告すんの。ゆいってば、成瀬さんが言わなかったらぶっ飛ばすって言ってたよ。あはは。」
「そんなこと、いちいち報告すんなよ。恥ずかしー。」
「いいの!!女子は嬉しかったことは友達に聞いて欲しいの!」
「…そうかよ。」
「うん、ちょっと待っててね。」
「…お前、俺より室井の方が好きなんじゃねー?」
「……。」
「…否定しろよ。」
「どっちも好き!…だって立場が違うじゃん。」
「…そうかよ。」
ゆいに報告メールを送信した後、私もカレーを口に運ぶ。
「うん!!完璧!!美味しい!!成瀬さん、おかわりしてね!」
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