想定外

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薄い生地1枚を隔てただけの 指の動きに漏れる吐息。 緩められたネクタイが スルスルと床に落ちて行くのを 瞼の隙間から見つめていると ようやく唇を離した青海さんが 私をまじまじと見つめた。 「好きだよ、高野さん」 「え?」 「だから君にも俺を きちんと見て欲しい」 想定外の青海さんの言葉に 唖然としていると 彼はシャツを脱ぎ捨て その厚い胸板の中に 私を抱き寄せた。
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