ホームレス魔王誕生

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 街中を小粋なビートを刻みながら歩いていると、妙な立て看板に気がついて、俺はふと足を止めマジマジと見つめた。  どうもそれは重罪人を探しているものらしく、内容は…… 『国王様御用達の大便器を、一週間ほど前に何者かが巨大な代物により詰まらせた。覚えのある者、または該当者を連れてきた者には賞金として500万ゴルドを手渡す』  ……というものだった。 「ふーん……世の中には極悪人がいるもんだなー」  さも興味なさげに呟き、俺は踵を返して歩き始め――  待てよ? 「……フッ。みたか人間共め!」  俺だ。それ。俺だよ。  流してないよ。  忘れてたわけじゃないし、むしろ人間達への憎悪が生み出した悪の産物とでもいうか、人の世はうつりにけりないたずらに的な、まあ、そんな感じだと思うし、仮に忘れていたとしてもそれで何かが変わるわけもないから、俺は遠い空を見ながら目を細めたんだ。 「……抹茶アイスくいてえ」  と。
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