ホームレス魔王誕生

12/25
前へ
/66ページ
次へ
 竜の巣の探索は、何と報酬が25万ゴルドもあった。 Aランクって凄い稼げるんだね。 「先輩。手伝いって何をすれば?」 「ああ。中の探索は俺がやるから、命綱を入口で持っていて欲しいんだ」 「簡単っすね」 「ああ。だが、ドラゴンが帰ってきたらヤバイぞ」 「大丈夫っす。俺強いっす。弱いのは胃腸だけっすから」 「はっはっは! そりゃ頼もしいな! まあ、今回の巣は既に使われていないやつだから、ドラゴンが現れることもないだろう」  そんなやり取りをしながら受付にいくと、セミロングが艶やかな受付のお姉さんが笑顔で先輩に話しかけた。 「あ、ゴッツさん。Aランクの依頼ですか? さすがですね!」 「はっはっは! ちょろいもんさ」 「あ、そこの雑魚も連れて行くんですか?」 「もう完璧に雑魚って言った! 言った!」 「ウルサイわよ。ランク上げて出直してらっしゃい」 「くそったれ……覚えとけよーーーっ!」  俺は悪人のような捨て台詞を残し、先にギルドから飛び出したはいいものの、先輩が来ないと意味が無いので微妙に離れた場所で立ち止まった。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

925人が本棚に入れています
本棚に追加