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そんなこんなで買い出しにきたのは、竜の巣を探索するために必要なランプやスコップ、それに抹茶アイスだ。
加えて命綱となる、硬糸縄<コウシナワ>とココアアイスを購入し、ついでに日持ちする食料を幾つか買い込んだ。
「よし。じゃあ、行くぞ」
「ういっす。大丈夫っす」
「よし……”転移”!」
先輩が竜の巣がある大陸の東側、”ディアマット連山”へ転移魔法を唱えた。
ディアマット連山は、竜種の中でも超狂暴とされる闇黒竜、ディアマットが群れを成す場所。
といっても、ディアマット自体はランクAの下ぐらいで、先輩ならそんなに苦戦する相手でもない。
単体なら――だが。
今回探索する竜の巣は、雌ディアマットが子育てをするために穿った崖の穴である。
規模は分からないが、ディアマットは最低でも体長が3メートル(幼体)あるし、最大で20メートルを超すものもいる。
巣の大きさは推して知るべしだ。
ぐにゃり、と歪んだ景色が元に戻ると、枯れ果てた大地に標高3千メートルを超す山々の連なった風景が視界に飛び込んでくる。
無人の荒野とよぶべき場所に俺達はいて、目的地である竜の巣へは徒歩で30分程度だ。
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